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航空分野への貢献

空港使用料算定システムの設計・開発

システムの概要・背景

我が国の航空機運航と空港を使用する料金(着陸料、停留料、保安料)

 我が国では現在、ひと月あたり約15万~16万回の航空機の運航があります(国内線が約8万運航、国際線が約5万運航、日本国上空を通過する運航(上空通過運航)が約2万運航)

※出典:数字でみる航空 日本航空協会

 航空機が空港に着陸する場合、航空機の使用者はその航空機の重量や騒音の程度に応じて定められた「着陸料」を支払います。また、航空機を空港に停留させる場合には、航空機の大きさや停留時間に応じて「停留料」を支払います。さらに、旅客や貨物を運送した場合には、その保安検査に係る費用として「保安料」を支払います。 日本の空港には都道府県が管理する空港や国が管理する空港などがありますが、国が管理する空港(国管理空港)については、着陸料や停留料や保安料(まとめて「着陸料等」と呼ばれます)を国に支払うことが定められています。(「国土交通大臣が設置し、及び管理する空港の使用料に関する告示」)

航空管制と航行援助施設使用料

 また、航空機の運航の際には、空港管制やレーダー施設などの航行援助施設からの支援を受けながら運航します。こうした航行援助施設の使用料として「航行援助施設使用料」を国に支払います。(「航行援助施設使用料に関する告示」)

空港使用料算定システムの役割

 国に支払うべき「着陸料等」と「航行援助施設使用料」とを、運航データ等に基づいて正確に算定し、航空機の使用者(エアライン、プライベート運航者など)に請求するのが、国土交通航空局が運用する「空港使用料算定システム」です。空港使用料算定システムによって算定されて請求される金額は月に約200億円、年間では2500億円に上ります。

航空業界、航空輸送のさらなる発展のために

 航空輸送は、国際交流の拡大、地域間交流の拡大、地域活性化にとって欠かせない存在となっており、更には我が国の経済発展、国際競争力の向上にとっても重要な役割を担っています。 こうした国際戦略、地域政策、経済政策の観点から様々な施策が行われており、沖縄島、離島、路線に基づく減免措置、コロナ対応のための減免措置、深夜早朝に係る減免措置、リターン・ダイバートの減免措置、政府専用機としての運航の免除措置、外国要人来訪時の免除措置など、様々な施策が社会情勢に応じて毎年立案、実施されています。

 空港使用料算定システムは、月間15万回に上る運航について出発時刻、到着時刻、飛行経路に基づく飛行距離計算を行って料金を算定するだけでなく、これらの施策にも正確・迅速に対応しなければなりません。 近年では、世界情勢が目まぐるしく変化しており、変化に柔軟・迅速に対応することが航空行政にとってますます重要になっています。

 また、エアライン等は空港使用料に関連して航空局へ様々な届出が必要であり(旅客数、リターンダイバートの理由、格納庫への入出庫時刻など)、それらの事務手続きを効率化してエアラインの負担を軽減することは国民経済の観点から重要であり、延いてはエアラインが航空路線を拡大させる後押しとなって地域の活性化へとも繋がります。

航空身体検査証明申請の電子システム化

当社の貢献 「空港使用料オンラインシステム」の実現

 当社では、この「空港使用料算定システム」の刷新にあたり、課題の抽出から解決策の策定、指針の明確化、システム開発企画、システム設計を担当しました。

 企画、設計にあたっては、エアライン等から航空局への各種届出のオンライン化、航空局からエアライン等への各種照会のオンライン化、その他各種手続きのオンライン化、英語化対応など、航空局のみならず航空業界全体にとっての効率化と利便性の向上を目指しました。また、開発工程においては、航空局、開発業者と協力し、助言、指揮し、空港使用料算定システムの刷新プロジェクトを成功へと導きました。

参照 『空港使用料オンラインシステムによる報告等』(国土交通省航空局)

もたらされた価値

これにより、航空交通の発展に貢献しました。

謝辞

 本システムの実現にあたっては、エアラインをはじめとする航空事業者、代理店、各空港事務所、各空港の運航情報官の皆様の理解と協力が不可欠でした。関係者の皆様に深くお礼申しあげます。また、運航データ連携については、飛行情報管理処理システム「FACE」を担当している日本電気株式会社の技術者の皆様、システム開発評価・危機管理センター(SDECC)の技術者の皆様の協力がありました。深く感謝申し上げます。

株式会社サイエンスインパクト

関連リンク

『空港使用料について』(国土交通省航空局)

航空身体検査証明申請の電子システム化